■□…‥・迎え兎の想作(原型作り)・‥…□■

2011年の干支「卯」の想作過程です


先ずは真ん丸い月に宝相華のシルエットを映しました。
花兎(花うさぎ)、月と兎(月とうさぎ)、波兎(波うさぎ)
以上の3点のキーワードがデザインに織り込まれます。

兎というと躍動的な意匠が多いかと思いますが
(キーワードに掲げた「月と兎や波兎」などは特に…)
くりから工房には既に躍動的なヤンチャ兎がおりますので
今回は立ち止まって振り返っている意匠を採用しました。
この兎の意匠に決めるまで3ヶ月くらい掛かりましたが
温存していたぶん、その姿を映し込む作業の方は
あっという間に兎のフォルムが浮かび上がりました。

1つめのキーワードに掲げた花兎(花うさぎ)として
うさぎの背景に宝相華を彫り込みました。
この宝相華に採用されているのは牡丹・蓮・芙蓉で
一番外側の波のような部分が牡丹の花びら
(一応、波模様も意識したラインです)
内側に彫り込まれている大きな花びらと
(一部分しか見えませんが)中央部分は
芙蓉と蓮を交互に組み合わせてあります。

うさぎの背景に大きな月があって
その月の中に宝相華が映り込んでいるイメージです。

【メモ】
宝相華とは、牡丹・石楠花・芙蓉などの好ましい部分を
組み合わせた空想上の花(華)の文様意匠のことです。

2つめのキーワードに掲げた月と兎(月とうさぎ)は
全体のフォルムそのものが満月を表していますが
表側には様々な模様が入っていて月とは判り難い事もあり
裏側のフック部分を得意の月面風の三日月にしてみました。

また、恒例となっている干支の梵字…
卯年は文殊菩薩の「マン」になりますので
三日月の中央に浮き彫りにしてあります。

3つめのキーワードに掲げた波と兎(波とうさぎ)は
表側の宝相華(外側の牡丹の花びら)として既出していますが
こちらも月ほどでは無いものの、少々判り難い事もあり
裏側にしっかり波模様を彫り、意匠に織り込んであります。

月夜のビッグウェイヴといったところでしょうか…。

ワックスによる造形は以上で完了です。

シルバーへの鋳造工程を経て
原型としての仕上げが終わりました。

愛らしい兎に仕上がりました所で
命名『迎え兎』に決まりました。

制作中は「見返り兎」などと呼んでいましたが
コンセプトとしては「お迎え」の要素が濃いですし
「迎」の字の中には「卯」の字がありますので…。
音も「むかえ」は「向かえ」にも通じます。

 《完成画像と概要は下記から御覧になれます》 
↓ ↓ ↓ ↓

 『迎え兎(帯留・根付)』 

 〜干支と裏干支の縁起を担ぐお話です〜 
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