〜fusion〜

左脳的なサウンドに、アプローチしにくかったジャンルでしたが、
このページではファクトリーのBGMとして、右脳派の耳にも溶け込む
クロスオーバーをピックアップしてます(あくまで個人的な見解です)♪



Morgan Fisher/rebalance
1994
未だ日本でヒーリングミュージックというジャンルが浸透していなかった頃、ロック→ブルース→ワールドミュージックの流れで辿り着いたのがこの盤でした。まるでエネルギーが蓄積されてゆくような感覚を覚えた時に「感じる音楽」という存在を知りました。邪念が取り払われ「無」となって、広がる音に包まれるような感覚は、ひょっとしたら母体に身を預けていた頃のような感覚に近いかもしれない。




anonymous/ALCHEMY
1996
都会の喧騒から森のようなエリアを通り抜けるシーンを背景に、神本宗幸氏がピアノで奏でる「空気感あふれる物憂げなメロディ」が漂うように間を埋めてゆく。そんなラビリンスに浸りながら気が付くと、穏やかな光が溢れる神聖な場所へと辿り着く。子供達が楽しそうに走り回るその場所は楽園か?それとも...?そんな光景が浮かんでくるような盤です。




BRAISE/Love for love's sake
1996
様々なアナログの音をサンプリングした仕掛け時計のような世界観に、最小限に洗礼された神本宗幸氏のピアノが効果的に冴え渡る。舞台はアーバンジャングルの路地裏か?そんな息遣いさえ聞こえてくる。カバーアレンジも秀逸なTake Fiveから見事な流れでエンディングへと向かい、そこから再びオープニングへと誘われるかのように何度も繰り返して聴いてしまう盤です。




charlie watts jim keltner project
2000
名手ケルトナーが持ち込んだシーケンス・サンプリングを元にワッツと共にリズムを重ね、そこにフィリップ・ショヴォーの打ちこみ作業が加えたテクノ〜ビート・ジャズという世界観で100%周囲の思惑を裏切ってくれたといえる盤。ジャズ界の偉大なドラマー&パーカッショニストの名前が連なるトリヴュート作でありながらも、ワッツの感性より生み出された各プレイヤーの抽象的コンポジションと化している。




Bill Frisell/Good Dog, Happy Man
1999
ついつい身体をゆっくりと横に揺らしてしまうようなジム・ケルトナーの心地よいドラミングに重なるメロディカルなギターサウンドは、繰り返し聴いてもフレッシュ感が全く損われないシンプルなアンサンブルでありながら、その薄めの音の中に懐の深さを感じつつ、リラクゼーションへと誘われ、ノスタルジック感さえ溢れる...そんな世界感に浸れる盤。




Bill Frisell/The Intercontinentals
2003
映画のワンシーンが思い浮かぶようなオープニングで幕を開け、リスナーが自由に思い描くストーリがサウンドと共に進行してゆきます。Intercontinentals各々のメンバーがフリーゼル色を嗅ぎつけるようにアプローチした調和で、オリエンタルな雰囲気の中に在る揺れるような間が実に心地良い盤です。そして何より静かなサウンドの中で随所に鏤められている音の抑揚がたまらない。




Neo OrientalII/風とこころのありか
1995
和の中のアジア、和の中の宇宙...そんな和やかな世界観で、尺八からシタールまで様々なアジアの音のさり気ないエッセンスと共に優しく自然体で融合するサウンドは、ノスタルジックな物語のようでもあります。オープニングから秋虫の音で季節感が表現されており、夏の終わりから晩秋にかけてはタイムリーにハートウォームな盤。